イタリア移転のための準備
イタリアに2年間滞在しようと画策しているので、自分用にリンク等をまとめています。
【この記事を書き始めてから数ヶ月の間に、いろいろ状況が動いていて、この記事に書いたことの多くはup to dateでなくなっているのでご注意ください。】
イタリアへの入国規制にあたり参照される、リスクごとの国のリスト
基本
・平時においては、観光旅行や90日以内の滞在ならば、日本のパスポートを持つ人はイタリア等の西欧諸国(所謂シェンゲン協定加盟国)にはビザなしで入れました。コロナ禍下ではこの制度が事実上停止されていたこともあったような気がしますが、2022年3月時点では、再び、ビザなしで入国できるようになっています。
・平時であっても、90日を超える滞在や、現地で雇用される場合には、日本であらかじめビザをとるか、入国してから滞在許可・労働許可を得ることが必要でした。
・日本であらかじめ出してもらえるイタリアのビザの期間は最大365日です。それより長い滞在は、到着してから滞在許可を得ることが必須となります。
・イタリアでの研究滞在の場合、ビザや滞在許可の前提として、滞在予定の自治体による許可書Nulla Ostaが必要です。これの申請は、滞在先のホストが現地ですることになっています。詳細は、ホストにお願いして現地自治体 (prefettura) に問い合わせてもらうしかないと思います。
公式情報
・在東京イタリア大使館のビザのページ。英語版と日本語版で情報量が全然違うなど、どの程度の信頼性があるのか不明。メールへの反応は速かったです(2019-2020年)。
日本語でメールすると反応がもっと速いようです(2021)。
https://ambtokyo.esteri.it/ambasciata_tokyo/it/ambasciata/la_rete_consolare/visa-application.html
・イタリア政府のビザページ。
・たびレジに登録しておくと、イタリア国内の日本大使館や総領事館から最新情報が常時入ります。
・ミラノ当局が出しているパンフレットにもnulla ostaや滞在許可の手順がありました。
非公式ソース
・KPMGという監査法人が、いろいろ有益なまとめを出してくれています。
https://home.kpmg/jp/ja/home/services/global-japanese-practice/europe-middle-east/italy.html
特に、入国手続きやNulla Ostaについてのこのパンフレットが便利そう。
私のnulla osta
私の場合はホストに言われて出した資料は次の通りでした。
・パスポート全ページのスキャン。
データが大きくなりすぎる場合があるので、画質は試行錯誤の上で。スキャンしたあとで画質を調整する方法は、たとえば次のどなたかのブログに紹介されている方法があります。
PDFファイルのサイズを落とす(Mac) - A1 ホモトピーと Milnor 予想を勉強しているブログ
・滞在資金の出し手がいることを示す書類。
・ホストと交わした覚書の原本。
コロナ下で国際郵便が機能していない場合があるので、courierサービスで送るようホストから指示されました。Courierの代表的な業者はDHLです。
・住むところを予約して知らせる。
Nulla ostaの申請に、適正な住環境のアパート・ホテルを予約している旨の書類 Certificato di idoneità alloggiativa" (suitable housing certificate, イタリア語の具体的な表現は自治体によって異なり得ます) が必要です。この書類は、大家さんやホテルが外国人受け入れに慣れている場合は、スムーズにやってくださるはずです。私の場合は、ホストが見つけてくださった学生寮風の施設にとりあえず入るので、その施設が自動的にやってくださいました。
Nulla ostaは、発行されるとホストに通知されます。本人がイタリア大使館に問い合わせる必要等はありません。ホストにnulla ostaの写しのようなものも届きます。
家族のnulla osta
家族のnulla ostaは、本人のnulla ostaが出た後でのみ、手続きが可能なようです(私の滞在予定の都市では)。
このために、前もってホストには次の書類を準備してデータを送っていました。
・戸籍謄本(下に紹介するように、アポスティーユ、翻訳、翻訳証明を付したもの)。
・パスポート全ページのスキャン。
家族のnulla ostaの申請をする段になったら、ホストが送ってくれた申請書に私がサインします。このサインが曲者です。家族のnulla ostaは私が申請者なので、サインの真正性について厳格な取扱がなされます。
具体的には、申請書類にサインしたのが私であることを証明するため、イタリア大使館・総領事館が指定している手順を践むことになります。
要約すると、
・最寄りの公証人役場で、公証人の目の前で書類にサインする(11,500円)
・最寄りの法務局で、当該公証人が、当該法務局に登録された有資格の公証人である旨の証明をしてもらう(無料)
・外務省に書類を送り、法務局の証明に対してアポスティーユをもらう(無料)
となります。
日本語版手順書
https://consosaka.esteri.it/consolato_osaka/resource/doc/2015/08/resource1.pdf
これをしたあと、Kinko's や郵便局(コロナ下では、国際郵便が機能しているか注意!)でイタリアのホストのもとに送ることになります。
公的書類にアポスティーユと翻訳を付ける
ビザ(とくに帯同家族の)のために、出生証明・婚姻証明が要ることがあります。この場合、戸籍謄本に、外務省によるアポスティーユをもらって、(プロによる)翻訳を添付することになります。
アポスティーユとは、日本の外務省が発行する「これは確かに日本の公的機関が発行した書類です」という証明書です
戸籍謄本
本籍地から離れて住んでいる場合も、戸籍謄本は入手できます。郵便や、マイナンバーカードを用いてコンビニでおこないます。
コンビニエンスストア等における証明書等の自動交付【コンビニ交付】 | 本籍地の戸籍証明書取得方法
アポスティーユの取得
アポスティーユとは、日本の外務省が発行する「これは確かに日本の公的機関が発行した書類です」という証明書です。
アポスティーユの取得は、郵送で数百円で、1週間でできてしまいます。
(代行業者が数千円で請け負ってくれるので、自信がない場合は代行業者を利用しても良いでしょう。自分でやるよりも手数が減るかどうかは疑問ですが。)
翻訳
ドイツの場合は、ドイツ政府の認証を受けた翻訳士(日本にも数人いる)にお願いすることになります。数千円はかかりますが仕方ありません。
イタリアの場合は、翻訳してもらったあと、大使館による翻訳の正確性の証明を受ける手順になっているようです。
在東京イタリア大使館のページに、翻訳者のリストが一応あります。
このリンク先からリンクをたどると、docxファイル Lista traduttori へのリンクが記されています。
翻訳証明は、大使館に自分で出向いてもできるのかもしれませんが、コロナ下でもあり、東京に住んでもいないので、翻訳士の方にそのまま代行を頼みました。
翻訳料: 私の場合
結局、イタリア大使館のリスト内の或る方に翻訳をお願いしました。料金の詳細を明らかにするのは差し支えるかもしれないので、大まかに
戸籍謄本の翻訳料 6,000円 + 日付だけ異なる2部目 1,000円
大使館における翻訳証明の代行料 8,000円
大使館に払う証明料 3,500円 x 2
でした。
2部用意する必要が本当にあるのかは分かりませんが、そこまで合計の代金が増えないようだったので念のためです。
研究ビザの必要書類のリスト。(イタリア大使館に置いてあるワードファイルを写しただけです。)
1. 長期Dタイプビザ申請用紙
2. 近影カラー証明写真(35x45mm 背景は白)
3. パスポート
4. パスポートのメインページのコピー
5. 直近の住民票(1週間以内)
6. Nulla Osta(イタリアの移民統合事務局から大使館に直接届く)
7. 申請料・・・日本国籍の人は無料だそうです。
来館予約
新型コロナにより、ビザ申請はメールで来館予約することになっています。大使館ホームページには、consular.tokyo(a)esteri.it にメールを送るよう書かれていますが、いざ送ってみると visa.tokyo(a)esteri.it にメールするよう指示されました(返事は早かったです)。日本語でやりとりできます。
西日本に住んでいる方は、大阪の総領事館になります。
申請用紙
申請用紙は、大使館のページ内の、つぎの場所でダウンロードできます。
用紙はdocxファイルで用意されていますが、入力しづらいし入力するとレイアウトが崩れるので、pdf化してから書きこ込むのが簡単かと思います。Macなら「プレビュー」で ctl + command + T でテキストボックスを生成し放題なのでラクチンです。
pdfとしてエクスポートする際、私のMacのPagesではレイアウトが変わってしまいます。私は普段から使っている Microsoft Office 365 からpdfとして出しました。
Office 365 Login | Microsoft Office
賢明な読者の皆さんは私と同じ間違いは犯さないでしょうが、申請用紙に日本語が併記されてはいても、記入内容はすべてアルファベット(イタリア語または英語)で記入する必要があります。
(私は、日本語で記入してしまっていて、その場でボールペンで書き足すよう職員の方に指示されました。)
研究滞在のNulla Ostaが出ている人は、
・健康保険
・航空券
をビザ申請時に提示する必要は無いそうです。東京の大使館でのアポをメールで取った際についでに尋ねたところ、そのようにはっきり返事がありました。もちろん提出書類はいつでも変更されうるので、ご自分でも確認されるとよいです。
デジタル旅客位置情報フォーム
イタリアでの居所や連絡先を、搭乗前に登録しておきます。
EU Digital Passenger Locator Form (dPLF)
このURLからアクセスできます。フライトに関する情報も入力するので、フライトを予約してからということになります。
ちなみに航空券さがしは、このサイトが便利で好きです。
イタリアへの入国規制にあたり参照される、リスクごとの国のリスト
【この記事を書き始めてから数ヶ月の間に、いろいろ状況が動いていて、この記事に書いたことの多くはup to dateでなくなっているのでご注意ください。】
【イタリアでは、2022年3月1日から、ワクチン接種証明・回復証明・陰性証明のいずれか、及びdigital passenger locator formがあれば入国できることになっています。大幅に簡単になりました。】
イタリア入国前14日以内に立ち寄った国によって、提出すべき書類や、入国後に自己隔離が必要かが変わってきます。
国がいくつかのカテゴリーに分けられており、リストA(制約が少ない)からリストE(制約が多い)まであります。
トランジットのフライトを利用する場合は(日本から出発したことにして)、次の事項を調べておく必要があります。
・経由国で、日本からのトランジットの旅客に対してどのようなルールを適用しているか?
・イタリアで、日本と経由国からの旅客に対してどのようなルールを適用しているか?
個人的には、シェンゲン協定加盟国を経由するようにするのが簡単かと思います。経由国が増えれば増えるほど、調べる作業は煩雑になります。調べたあと、フライト当日までに規制が変わるリスクも上がります。
トランジットの人に対する規制
【ドバイ】
海外からドバイに入国する際の手続きに関するQ&A | 在ドバイ日本国総領事館
エミレーツ航空でドバイを経由するのは、わりとリーズナブルな気がしてきました。
【ポーランド】
新型コロナウイルスに関する最新情報 | 在ポーランド日本国大使館
ポーランド政府
ポーランド入国時の隔離規定の変更 - 日本の中のポーランド - Portal Gov.pl
下の書類によると、トランジットも事前に許可が必要らしい。これ2020年なので古い情報の可能性大。( 新型コロナウイルスに関する情報(アーカイブ) | 在ポーランド日本国大使館 )
https://www.pl.emb-japan.go.jp/files/100070755.pdf
2021年7月の次の書類によると、ワクチンを打ってあれば入国に際し隔離は受けなくてよいようだ。
https://www.pl.emb-japan.go.jp/files/100212261.pdf
ポーランド政府のページによると、24時間以内に国外に出るチケットを持っている者はquarantineをしなくていいらしい。
【デンマーク】
新型コロナウイルス感染症について | 在デンマーク日本国大使館
デンマーク政府によるポータルサイトを見ても、トランジットの人にどのような規制がかかっているか、パッと見ではよくわからない。
https://en.coronasmitte.dk/travel-rules/covidtravelrules
(自分の該当する選択肢をぽちぽちクリックしていくと、どうやら検査や自己隔離も必要なく入国できるっぽいです。ということは乗継も余裕だな。)
日本の外務省のこのページは、入国する場合のものだが念のためリンクをメモしておきます。
外務省 海外安全ホームページ|新型コロナウイルスに係る日本からの渡航者・日本人に対する各国・地域の入国制限措置及び入国に際しての条件・行動制限措置
EUで認可されているワクチンのリスト
COVID-19 vaccines: authorised | European Medicines Agency
イタリア滞在準備に関連した、面白そうなブログ
2022年3月末に、無事にイタリアに入国できました。